理想の彼でもダメだった私が、友情結婚で「普通の幸せ」を手に入れるまで

Vol. 2
投稿日

2026.02.17

はじめまして。
サウニャンコ夫婦の妻、ミケ子です。
このたび、縁あって夫婦で成婚者ブログに参加させていただくことになりました。
今回は、妻である私が筆を取らせていただきます。
私のセクシャリティは「ノンセクシャル」です。2022年夏にカラーズへ入会し、同年冬に成婚退会しました。

今回は、自分のセクシャリティ自認とカラーズ入会に至る経緯をメインにお話しします。

最初に違和感を感じたのは大学生のころ。

バイト先の男性と良い感じになり、お付き合いをしました。
付き合うまでのあれやこれやデートは楽しくて仕方なかったのに、家に行き、ちょっと良い雰囲気になった時に何故か相手に対して嫌悪感を感じました。
いざそういう場面に直面して、改めてこの人とキス以上のことをしたいのか?と考えた時になんかそれは違うなという気持ちになりました。

結局別の理由でお別れしましたが、当時は本気でその人のことが好きじゃないからそう感じたのだと思っていました。

その後もマッチングアプリや街コンで恋人探しをするものの、いざ付き合うぞという段階で、相手とのその先のことを想像してしまい一気に気持ちが萎えてしまう、ということが続きました。そんなことを何回も何年も続けるうちに自分ももう30歳手前に。

結婚願望があったので、いよいよ本気で向き合わないとまずいぞと思いつつ、不毛な婚活を続ける中で決定的な出来事がありました。

マッチングアプリでものすごくタイプなビジュアルの男性とマッチングしたのです。
この見た目なら性的な接触も苦じゃないのではと思えるほど好きな顔。その上性格も合う。

マッチングアプリのセオリー通り、何度目かのデートで告白され、わあ嬉しいと思ったのも束の間、そのタイミングで家に誘われて、その瞬間に気持ちが一気に冷め、嫌悪感に包まれました。適当な言い訳でその場を切り抜けましたが、帰りの電車の中、こんなに魅力的な人なのにいつもの拒絶反応が出たので、ああもうこれは相手が悪いのではなく、自分に何か欠陥があるからなのだと悟りました。

でも自分の何がどういけないのかが分からない。私は周りの人たちが普通にやっていることが出来ない。劣等感や罪悪感を感じて、誰にも相談することができず、ぐるぐると悩みながらSNSを彷徨っているところにノンセクシャルという概念に出会いました。

もしかしてこれかも…と思いが深まると同時にそうなると自分には普通の恋愛結婚は無理だ、とも気付かされました。

ただそれでも結婚はしたかった。理由は2つ。

一つは世間体です。
この令和の時代、ステレオタイプだとは思いますし、自分でも嫌になりますが、独身でいることでの周りからの評価をものすごく気にしていました。

二つ目は孤独に対する不安。
私は1人の時間を楽しめる人間なので、1人でいることに寂しさを感じないタイプの人間です。

ですが、将来、周りの友達が結婚や子育てに忙しくなり、更に親に先立たれて、誰も私のことを気にしてくれなくなったらどうしようという、いつか来るであろう本当の意味での孤独には猛烈に不安を感じていました。

結婚したいけど、自分のこのノンセクシャルという性質では結婚ができない、このジレンマをどうしたらいいのか分からず、当時婚活を共に頑張っていた戦友兼親友に思い切って相談をしました。

なんと彼女はノンセクシャルという概念を既に知っており(どうやら彼女が読んでいた漫画でノンセクシャルの登場人物がいたようです)、親身に相談に乗ってくれました。

身近な人に相談して、それを否定せずに受け入れてくれたことでだいぶ救われた気持ちだったのですが、さらに後日、彼女が「君みたいな人に合いそうな出会いの場があったよ」とカラーズを教えてくれました。それがカラーズとの出会いでした。

もうここでダメなら結婚は諦めようという気持ちですぐに入会を決めました。

迷いはなかったです。

活動期間は4ヶ月ほど、しかもその期間にお会いした方は今の夫のみ。

一般的に見ると短期間ですが、特に焦って活動していた訳では全くないです。

友情結婚が前提なので、この活動の先に性行為という過程がないことが約束されている、これだけでもものすごく気持ちを楽にして活動をすることができました。おのずと自分を偽ったりせず、自然体でいられたのも良かったです。また相手をみるときも余計な事を考えず、相手の性格や価値観だけに集中できたので、じっくり相手に向き合えました。なので夫との話し合い期間中(所謂仮交際中のような期間)も他の人と比較したい、という気持ちも湧く事なく、この人とならこの先の人生歩めそうと思えたので、結婚という決断をすることが出来ました。

現在は結婚3年目を迎えました。結婚生活について、今思うのは、きっと普通の夫婦とあまり変わらないんだろうなあということです。友情結婚をする前は友情結婚ってもっと殺伐としたものなんだろうと思っていましたが、私たちは一緒にご飯を食べながら今日あったどうでもいい事を話して笑ったり、買ってきたスイーツ食べながらテレビや映画を見たり、週末はお出掛けをしたり、たまに旅行に行ったりと普通の夫婦とおそらく同じような暮らしをしています。

友情結婚における結婚生活の在り方は千差万別だと思いますので、正解はないと思いますが、お互いが心地の良い距離感で生活を送れることが大事だと思います。

私はこんな穏やかな結婚生活が送れるとは想像していませんでした。改めて友情結婚をして良かったと思っています。

読んでいただきありがとうございました。

次回は、「実はトランスジェンダーである夫」を受け入れた時の気持ちや、私たちの実際の夫婦生活について、詳しくお話ししたいと思います。

saunyanko
著者:サウニャンコ夫婦

【夫:トト丸】
トランスジェンダーでアセクシャル。2022年夏にカラーズに入会し、同年冬にパートナーと成婚退会。現在は妻のミケ子と、猫4匹と穏やかな日々を過ごしている。恋愛を前提としない「友情結婚」という選択肢や、マイノリティとしての婚活経験を共有したいと思い、ブログに参加。名前の由来は共通の趣味のサウナ、猫から。

【妻:ミケ子】
ノンセクシャル。2022年夏にカラーズに入会し、同年冬にパートナーと成婚退会。現在は夫のトト丸と、猫4匹と穏やかな日々を過ごしている。恋愛を前提としない「友情結婚」という選択肢や、マイノリティとしての婚活経験を共有したいと思い、ブログに参加。名前の由来は共通の趣味のサウナ、猫から。