【Vol.3】【友情結婚から離婚へ】籍を抜いて見つけた、離れて育てる円満な共同子育てのかたち
籍を抜いて見つけた、離れて育てる円満な共同子育てのかたち
語り手:成婚OG・美咲さん(仮名)/聞き手:代表 中村
>>インタビューのきっかけ&前作はこちら↓↓
【Vol.1】【友情結婚から離婚へ】「目的」だけで突っ走った成婚期に見落としていた盲点
【Vol.2】【友情結婚から離婚へ】「優しさに囲まれて孤独」……同居生活で直面した、理想と現実のズレ
ーー籍を抜いたからこそ成立した、究極の「子育てパートナー」。自立を果たした現在の関係性。
中村: 「人として好きな彼」に、どのように離婚を切り出されたのでしょうか。また、今の「籍を抜いて、離れて育てる」という形に、彼はすぐに納得してくれたのですか?
美咲: 実は結婚当初、周囲への説明の兼ね合いもあり、私の実家には友情結婚であることはもちろん、お見合いであることも伏せて、一般的な恋愛をして数年付き合ったというストーリーで報告していたんです。でも、いざ生活が始まって孤独や悩みに直面したとき、一番身近な母に本当の夫婦関係や自分の状況をオープンに相談できず一人で抱え込み続けることが、当時の私の心にとっては大きな負担になってしまって……。
そこで彼に、「これ以上、一人で葛藤を抱えて生きていくのは難しい。お互いに人としては好きだからこそ、無理に夫婦という形に縛られるのではなく、籍を抜いて、別々に暮らしながら『子育てのパートナー』として新しく協力していかないか」と、正直な本心を打ち明けました。
その際、私の母にだけはこれまでの経緯と本当の関係性を打ち明けたいということも相談し、彼もそれを承諾してくれたんです。彼は私の精神的なしんどさをしっかりと理解してくれ、最終的には納得して、この私の提案を受け入れてくれました。
中村: その離婚のタイミングで、お母様にだけ本当の状況(友情結婚であったこと)をお話しされたのですね。お母様の反応はいかがでしたか?
美咲: はい、母には友情結婚であったことも、そこから離婚に至るまでの経緯もすべて正直に伝えました。すると特に驚く様子もなく、「あなたたちなりに一生懸命考えて出した結論なのだから」と、私たちの選択をそのまま温かく受け入れてくれたんです。
中村: お母様が優しく受け止めてくださって本当に良かったです。一方で、旦那様のご実家はいかがでしたか? 第2部のお話にもあったように、本当に良い義理のご両親で、今でもお子様が泊まりがけで遊びに行くほど良好な関係だからこそ、「夫婦の距離感の違い」による離婚をすんなり納得してもらうのは難しかったのではないですか?
美咲: それが、義両親も本当に理解のある方たちだったんです。「本人たちの問題だから」と、私たちの決断をしっかりと尊重してくださり、離婚についても受け止めてくださいました。現在も子どものことを本当に温かく見守ってくださっていて、今でもとても良い関係が続いています。
中村: 離婚されてから、お二人の関係性や連絡の取り方に変化はありますか?
美咲: 驚くほど変わりました。物理的に家を分け、適切な距離をとったことで、籍が入っていた頃よりもお互いにリスペクトを持って、思いやりを注げるようになったと感じています。 同居していた当時は、自分のキャリアや働き方にどこか引け目を感じたり、上手く自分に自信が持てずに葛藤していた時期でもありました。でも離婚を機に、「子どものためにも、まずは私自身がしっかりと経済的・精神的に自立しよう」と一念発起したんです。猛勉強して無事に国家資格を取得し、今はプロフェッショナルとして自立して働いています。自分自身の足で立てたことも、彼と対等で良好な「子育てパートナー」になれた大きな要因だと思っています。
中村: 素晴らしい強さですね!現在、元旦那様やそのご家族とは、どのように子育てを分担されているのですか?
美咲: 週に1回ほど、子どもの成長や学校のことを中心に連絡を取り合っています。テストで良い点数を取った時や、学校で作った工作、楽しそうな日常の写真は、その都度彼に共有していますし、遠方に住む彼のご両親にも同じように送っています。 パパとは最低でも週に一度は必ず会う時間を設けています。学校の行事や授業参観なども、いつも通り2人で自然体で参加しますし、私が仕事で行けない日はパパが一人で快く出席してくれます。
中村: お子様自身は、パパとママが別々に暮らしている現状をどう捉えているのでしょうか?
美咲: これが最近、ちょっと面白いエピソードがあって(笑)。子どもがYouTubeか何かの影響を受けたのか突然、「ママとパパ、絶対に離婚しないでね!」って言ってきたんです。私が思わず「ん?ママとパパは、もうとっくに離婚してるよ?」って普通に返したら、「えっ!?」って本気で驚いていて。 ずっと別々に暮らしていることがその子にとっての「当たり前」だったので、特に寂しさや不自然さを抱くことなく、日常的に「パパもママも自分を大好きでいてくれる」という確信を持って育ってくれているんだなと安心しました。今日も、元旦那と子どもは2人で、彼の実家へ一泊二日の泊まりがけで遊びに行っています。なので私は、久しぶりに家で思い切り泥のように寝る時間を満喫させてもらっているんです(笑)。
中村: 素敵な着地点ですね。離れたからこそ、理想的な「チーム育児」が機能している。 最後に、当時の美咲さんのように「子どものために、環境を変えることも辞さない」と強い覚悟を持って活動している女性会員様へ向けて、アドバイスをお願いします。
美咲: 婚活中の話し合いでは、冊子の項目をただ機械的に埋めるだけでなく、「もし、想定外のこういう状況になったら2人でどうするか」を一歩踏み込んでシミュレーションしておくことが本当に大切だと思います。 例えば、お互いにブライダルチェックをクリアして安心するだけでなく、「もし、生まれてきた子どもに障がいがあったら、私たちはどうやって向き合うか」といった、目を背けたくなるような深い部分まで事前に言葉を交わしておく。そしてお相手だけでなく、「自分自身がどう生きたいか」という人生の軸をしっかりと持っておくことです。 新しい環境での生活は最初は本当に大変ですが、私の場合は彼のご家族が本当に温かい方々だったことが、今でも大きな財産であり支えになっています。お相手のご家族の雰囲気や写真を事前に見せてもらうのも、すごく安心材料になると思います。 これから活動される皆さんには、ぜひ、新しい環境での経験そのものを、少しでも楽しむ心の余裕を持って、一歩ずつ進んでいってほしいなと思います。
取材を終えて:中村より
数年ぶりに美咲さんからご連絡をいただき、こうしてお話を伺うことができて、深い感謝とあたたかい気持ちが広がっています。
世間一般のイメージだと、離婚に対してどうしても後ろ向きな印象を持つ方が多いかもしれません。しかし美咲さんたちのお話を伺っていると、決してお互いを嫌いになったわけではなく、敬意を失わないまま、全員が一番健やかにいられる「家族の形」を新しく探した決断だったのだと感じさせられます。形式にとらわれず、別々の場所から2人で最大の愛情を注ぎ続けているのは、一つのあたたかい家族のあり方なのだと教えられました。
同時に、 婚活において「子どもが欲しい」といった大きな目的の一致はもちろん大切ですが、美咲さんがおっしゃった通り、目的が一致していることと、日々の共同生活が心地よく回ることは別物です。ゴールだけでなく、そこに向かって毎日を共に歩んでいくための具体的な「道筋」や、自分が孤独を感じた時にどう支え合うかという感情面のすり合わせまで、しっかり話し合うことがいかに重要か、深く胸に刻まれました。
そして、その話し合いをするためには、まず「自分自身がどんな人間で、結婚生活に何を求めているのか」という自己分析が土台になります。自分を知っているからこそ、お相手と深い対話ができるのだと、美咲さんの歩みが教えてくれています。
美咲さん、今回はご自身の歩まれた尊い道のりを、これから活動する会員様のために丁寧にお話しいただき、本当にありがとうございました。
美咲さん、元旦那様、そして大切なお子様。これからも3人らしい素敵な家族の形を紡いでいかれることを、心から応援し、願っております!
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前編はこちら↓↓
【Vol.1】【友情結婚から離婚へ】「目的」だけで突っ走った成婚期に見落としていた盲点
【Vol.2】【友情結婚から離婚へ】「優しさに囲まれて孤独」……同居生活で直面した、理想と現実のズレ
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【書籍情報】
書名: 『友情結婚 新しい結婚の選択肢』
著者: 中村 光沙 出版社: 幻冬舎
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