
友情結婚を決意する前に。後悔しないための「6つのこと」

結婚の形が多様化している現代では、恋愛感情以外にも性的関係を前提としない「友情結婚」を選択する方が少しずつ増えています。セクシャルマイノリティの方にとっては、自分らしく結婚できる新たな選択肢のひとつになっているでしょう。
しかし、友情結婚にはカミングアウトや周囲への伝え方など、デリケートな問題も関わってきます。そのため、友情結婚を決意する際は、幸せな結婚を実現するためにも事前にいくつかのことを考えておくことが大切です。
今回は、友情結婚を決意するときに考えるべき6つのことを紹介します。
関連記事:LGBTが結婚するには?あなたの幸せをカタチにする7つの選択肢
目次
友情結婚を決意するときに考えるべき6つのこと
友情結婚を決意するときに考えるべきことを6つ紹介していきます。
①なぜ「カミングアウトしない」選択が現実的なのか
友情結婚を決意する上で、まず直面するのが「カミングアウトをどうするか」という問題です。
結論から言うと、友情結婚を希望される方の大多数は、ご自身のセクシュアリティを公表しない「クローズ」な状態を維持することを選びます。
これは精神論としての「覚悟」というより、穏やかな結婚生活を送るための「現実的な選択」と言えるでしょう。
そもそもセクシャリティをオープンにしている方は、同じくオープンな方と恋愛関係を築くなど、友情結婚以外の選択肢を選びやすい傾向にあります。
一方で、
・親族や職場には知られず、社会に溶け込んで生活したい
・セクシャリティをオープンにする必要性を感じない
などの理由から、カミングアウトを望まない方が友情結婚を現実的な選択肢として考え始めます。
そのため、結婚相手の条件として「お互いにカミングアウトしていないこと」を挙げる方が多いです。たとえ自分が隠していても、結婚相手がオープンな場合、「あの人の配偶者も、もしかして…?」と周囲に推測され、自分のセクシャリティが意図せず伝わってしまうリスクがあるからです。
「結婚後に相手の言動でバレてしまうのでは…」と日々ハラハラしながら生活するのは、大きなストレスになってしまいます。
こうした背景から、友情結婚は「カミングアウトしない」ことを前提に進むのが現在の主流です。
だからこそ、ご自身の心に問いかけてみてください。今後、自分のセクシャリティを公表せずに生活することに、強い抵抗感や「自分に嘘をついている」という苦しさを感じそうですか?
まずはこの現実を踏まえた上で、ご自身の気持ちを確かめてみることが、後悔しない決意への第一歩です。
補足:
なお、「友情結婚である」こと自体を周囲に公言する必要はありません。夫婦間の性的関係の有無は、他人に説明するような事柄ではないからです。
②「どこで出会ったの?」への無難な回答を準備しておく
結婚すると周囲から2人の出会いについて聞かれることがあるかもしれません。特別気になっていなくても「どこで出会ったの?」という質問は決まり文句のようなものです。数年後には忘れられていることがほとんどでしょう。
現在、友情結婚する方の多くは友情結婚相談所で出会い、結婚につながっています。近年では結婚相談所やマッチングアプリで出会って結婚することは決して珍しいことではないため、周囲へどう説明するかはそこまで気にする必要はありません。
ただし、「出会いは結婚相談所」と答えることに抵抗がある場合は、どのように出会い結婚したかを周囲や親にどう説明するか、あらかじめ夫婦ですり合わせておくとよいでしょう。
なお、日本では結婚してから徐々にセックスレスになる夫婦が多い傾向にあります。そのため、夫婦間に性的関係がなくても大きな違和感はありません。
そのうえ、そもそも結婚生活や夫婦の性事情について深く聞かれることはほとんどないため、周囲への説明を気にし過ぎる必要はないでしょう。
結婚の形がどうであれまったく同じ結婚生活を送っている夫婦はいません。2人の結婚生活こそが2人にとっての正解です。
関連記事:二人の出会いは周囲にどう説明しますか?
③現在のパートナーとの関係をどうするか
同性愛者の方のなかには、現在同性パートナーがいる場合もあります。友情結婚をするにあたって、そのパートナーと今後どう付き合っていくかは、大きな決断が必要です。
同性パートナーを持ちながらの結婚生活が想像しにくいことや、自分より同性パートナーを優先されそうという不安があることから、友情結婚相談所カラーズでは結婚相手に「パートナーがいない」という条件を求める方が多い傾向にあります。
そのため、婚活を始めるタイミングで同性パートナーと別れる方がほとんどです。「同性パートナーと関係を続けながらの婚活は、パートナーにもそして結婚相手に失礼だ」という意見もあります。
どうしても同性パートナーと関係を続けながら友情結婚を目指す場合は、そのパートナーと結婚相手の両方を幸せにするという覚悟が必要です。
なお、同性パートナーとの関係を続ける場合や結婚後に同性パートナーを持ちたい場合は、結婚相手との話し合いが欠かせません。自分が同性パートナーとの関係を望んでいても、結婚相手がそれを許容できないケースもあるためです。
結婚相手が同性パートナーとの関係を許容できる場合でも、パートナーと結婚相手を紹介し合うのか、誰とどう住むのかなども考えなければなりません。互いの気持ちを尊重しながら、2人が納得のいく形を模索していくことが重要です。
関連記事:同性パートナーがいる場合の友情結婚の注意点について解説
④スキンシップや身体的距離はどうするか
友情結婚では夫婦間で性的関係を持ちませんが、スキンシップの程度については人それぞれです。手をつなぐ、ハグをするなどの行為をどこまで許容できるかは、セクシャリティによっても大きく異なります。
例えば、アセクシャルの方は他者に恋愛感情や性的欲求を抱きませんが、身体的な接触への感覚は個人差があります。「手をつなぐのは平気」「手が触れるのも苦手」など、感じ方は人によって大きく異なるため、事前にすり合わせが必要です。
また、第三者がいる場でどのような距離感で接するか、夫婦らしく振る舞うかどうかも話し合っておくとよいでしょう。無理をしない関係を築くためにも、お互いの心地よさを尊重することが大切です。
⑤同居するか。そして「生活費や家事」などのルール
結婚生活において同居するかどうかも、友情結婚では考えておくべきでしょう。友情結婚相談所カラーズの会員様の傾向としては、同居を希望する方が約95%と多数を占めていますが、別居婚を選択肢としていれている方もいます。
同居を選ぶ場合は、生活面のルールをしっかり決めておきましょう。家賃や光熱費などの費用負担、家事の分担、1人の時間をどう確保するかなど、細かい部分まで擦り合わせておくことが大切です。
同居生活をするにあたって臨機応変な対応が求められる場合もあるでしょう。しかし、ルールがまったくないまま同居を始めてしまうと、「気づいたら自分ばかりが家事をしていた」といった無意識の偏りが生じやすくなります。
先にルールを決めておくことで、不満も生まれにくく、快適な共同生活につながるでしょう。
⑥子どもを望むか。人生設計の根幹を合わせる
結婚において、絶対に曖昧にしてはいけない最重要項目が「子ども」についての価値観です。友情結婚相談所カラーズでも、将来子どもを持ちたいという希望を持つ方は80%を超えています。
子どもを望むかそうでないかという希望の相違は、離婚につながる可能性があります。友情結婚に限らず一般的な結婚でも子どもに関する希望の相違で離婚する夫婦は少なくありません。
なかには「結婚したら子どもを持つことが当たり前」と考えている方もいます。結婚後に相手は子どもを望んでいないことが発覚して離婚することも考えられるでしょう。
そのため、子どもが欲しいのか欲しくないのか、それとも迷っているのかを理由も含めて婚活のタイミングで確認すべきです。
なお、結婚相談所では子どもを望む方が多いために、本当は子どもを望んでいないにもかかわらず、出会いのために嘘をつく方がいます。
確かに子どもを望んでいると嘘をつくことで出会いが増え、結婚にはたどり着けるかもしれません。しかし、結婚後子どもに関する希望の相違が発覚すれば、結局離婚することになるでしょう。
互いの時間を無駄にしないためにも、子どもの希望について必ず確認すること、正直に答えることが大切です。
なお、友情結婚では夫婦間で性的関係を持たないため、子どもを望む場合はその方法も考えておきましょう。性行為を伴わない方法としては、シリンジ法・人工授精・体外受精などが挙げられます。
子どもを設ける方法について以下の記事で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。
関連記事:子どもの作り方は多様化している!性交渉以外の選択肢も
友情結婚は「信頼」で築くパートナーシップ。覚悟と対話で幸せを掴む
友情結婚は「好き」という気持ちよりも、「信頼」「協力」「尊重」といった感情のうえで築かれるパートナーシップです。恋愛感情や性的関係がないからこそ、言葉にして伝え、確認し、納得することが重要になります。
カミングアウト・生活スタイル・子どもなど、どのテーマも曖昧なまま進めるとあとからすれ違いが生まれやすくなってしまいます。
友情結婚を決意するにあたって、自分のなかで覚悟を決めなければならないもの、結婚相手との話し合いが必要なものをよく考え、互いに安心できる友情結婚を実現してください。
友情結婚相談所カラーズでは、セクシャルマイノリティの方向けに友情結婚のサポートをおこなっております。無料の入会相談も受け付けておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
----------------------------------------------
----------------------------------------------
恋愛結婚に違和感を感じている方は診断してみてください。
カラーズに入会相談を申し込む
記事を検索する
関連の記事
人気の記事